オーディション応募について

俳優経験者が語る、書類選考を通過するために考えるべきこと

自己紹介の代わりとして以前僕がオーディションに応募したときに考えたことをまとめた記事を掲載しておきます。

渡辺拓真のプロフィール1 渡辺拓真のプロフィール2

久しぶりに俳優として応募したいオーディションを発見したので応募してみました。

俳優としての活動を休止してから実に7年ほどの月日が経ち、その間で自主映画の監督やオーディション開催、宣材写真カメラマンとしての活動をしてきました。

そこで得た知識や感覚をプロフィールを作り直して応募するまでの一連の中でどのように生かすべきか考えたことを、せっかくなのでここに記しておこうと思います。

(と言っても7年間でオーディションに応募したことが全くなかったわけではないので2年半ぶりくらいの応募となりました。宣材写真撮影を仕事として始めてからは初。)

基本的にフリーの方向けの内容だとは思いますが、事務所所属の方も理解しておいた方がよいことのような気がしています。

多分読む人によっては小賢しくて打算的な内容に思える部分もあるかもしれません。

それでも無計画に挑むよりはよっぽどいいと思っています。

ご興味ある方はぜひどうぞ。

今回制作したプロフィールは上記の2枚になります。
本来は映像資料リンクの下に電話番号とメールアドレスを記載していますが今回は割愛します。

応募の動機

その監督の過去作をこれまでにいくつか見た事があり好感を持っていたこと、なおかつ募集している役の設定やあらすじに今の自分と符合している部分が多くあるように感じ、「今の自分が演じるために存在するかのように思えてしまった」ことが応募の動機でした。

仕事柄、常日頃からオーディション情報を探して数多く目を通すようにしているのですが、自分で応募しようと思うことはほとんどありません。

それでも自分が応募する以外の道は残されていないのではないかと思えてしまうような作品がごく稀にあります。

そういう役が確実に存在しているからこそ僕は俳優業に関して「引退」を明言せずにいます。

俳優は一生、自分が生き続ける限り、自分のために存在しているかと思えるような役が生まれ続ける表現分野で、その点が他と比べて明らかに特異であり、途方もなく素晴らしいと改めて思いました。

応募にあたって考えたこと

僕は書類選考の段階で最も大事なことは「自分がどれだけこの物語に、この役にふさわしいかを1通のメールから審査する人に示すこと」だと思っています。

自分のどういう部分がその役にふさわしいのか。

外見の印象なのか、普段からこういう考え方をしているからそう思うのか、ふさわしいと思える部分があるのならそこを知ってもらうべきです。

メールで伝えられる情報は大きく3つあります。

プロフィール、映像資料、文章の3つです。

プロフィールについて

まずプロフィール、これは添付がないとその時点で審査から外されてしまうものです。プロフィールがないのは「顔」がないのと同じことと言えるでしょう。

重要度で言えば1番高いかもしれません。

たまにプロフィールをGoogle ドライブやDropbox経由で送ってくる方がいます。

これらのクラウドサービス経由で送られるとリンクが切れていて開けない事がごく稀にあるので基本的にはPDFファイルにしてメールに添付するようにしましょう。(ファイル名を自分のフルネームにしておくと見つけやすくて便利です)

プロフィールに載せる写真も然るべくこだわるべきだと思います。

写真はバストショットと全身の2枚だけを載せるのではなく、5枚程度載せるようにするといいと思います。

審査する側の想像の幅を広げることが重要です。

かといってテイストの違いすぎる写真を載せるのはイメージとズレすぎる場合があるので避けるべきだと思います。

今回の場合自分がメインで使っていた写真が1年くらい前に宣材写真撮影のテストで適当に撮ったものだったので、明示された役の設定に沿うような宣材写真を撮りなおそうと考えました。

今回の役の設定に合わせて、プロフィール2枚目左上のような真顔の写真より少しでも穏やかな雰囲気がある方がいいだろうということで自然光で少しだけ微笑んでいるような間合いで撮影し、それに合わせて全身写真を撮影しました。

自然光を選択した理由は、自然光の方がその人自身の空気を差異なく纏った写真が撮れると考えているからです。

個人的には人工のライティングだとどうしても作られた雰囲気になってしまい、カッコいいイメージの役やCMの案件ならそれでもいいかもしれませんが、映画など自然光が存在している世界を描くことを前提としている案件は自然光で撮られた写真を使う方が合っているのではと思います。

2枚目のプロフィールには顔の向きがそれぞれ異なる写真を配置しました。

「利き顔」という概念が存在しますが、正直そんなものは他人にとってはどうでもいいものです。自分では気に入らない顔の向きや角度だったとしても人から見たら自分では想像もしていなかったような良さがあったりすると思います。

なのであなたの顔をなるべく多角的に把握できるように写真を配置しましょう。

あと個人的に頬に手を当てたりして輪郭を隠した写真も避けるべきだと思います。輪郭も含めてあなたなのです。

応募後の今見て思う、今回のプロフィール作りの反省点としては、写真の中に存在する色が少ないことが見ていて心地いいものではないことです。

白背景で撮る写真は統一感があって見やすい一方で配色として地味になりすぎる傾向にあります。

今回は自力でセルフタイマーで撮っているためピント合わせが難しく断念したのですが、本来であれば屋外で日中に撮影した写真が1枚でもあるともっと背景が華やいでよかったように思います。

また、どういう宣材写真を撮るかも大事ですが、それと同じぐらい重要なのが情報をどう配置するのかだと考えています。

出演作品もすべて書けばいいというものでもありません。

文字は小さければ小さいほど読みづらいし、多ければ多いほど本当に見てほしい情報に目がいかなくなる可能性が高くなります。

なので十分に経歴がある場合は出演作品を絞って載せるようにした方がいいでしょう。

経歴を全部載せたい場合は自分の俳優活動の経歴をまとめたホームページを作成してそのサイトのURLをプロフィールに載せておくことをおすすめします。

映像資料

今回のオーディションでは応募要項としてデモリール、または演技のわかる動画の提出が必須でした。

最近はそういうオーディションが増えていておそらく必需品と言っても過言ではないと思います。

プロフィールを見て気になったとしても映像資料がある人とない人を比べることになってしまうので書類審査を通過してオーディションに来てもらう人を選ぶときに映像資料がある人の方が優遇されてしまうのは仕方のないことだと思いますし、お芝居どうこう以前にその人がどういう発話をする人なのかを知る意味でも映像資料はとても重要だと思います。

今回僕は出演シーンをまとめたデモリールは所持していなかったので出演作品のリンクをメールとプロフィールに添付しました。(YouTubeで見られるものとAmazonプライムとU-NEXTで見られるもの)

審査する側の手を煩わせて検索させるのではなく、ワンクリックで届いてほしい情報に届くように設計することも地味に大事なことだと思います。

なるべく読むことにストレスのないプロフィールにしておいて損はないはずです。

メールの文章について

おそらくここがこれまで俳優が1番蔑ろにしてきた部分だと感じています。

結局のところプロフィールと映像資料だけではその人の人となりはなんとなくしか伝わりません。

「この人と会ってみたいな、一緒に作品を作りたいな」と少しでも思ってもらうためにはこの作品に出たいということを偽りなく伝える努力が必要です。

たとえば募集に対してこういうメールを送ってくる方がいます。

❌ 悪い例

件名:『〇〇』キャスト募集

本文
1.希望する役
2. 氏名
3. 年齢
4. 身長
5. 演技経験の有無
6. 最寄駅
7. 連絡先
8. 所属の有無

よろしくお願いします。

このように応募要項に準ずることだけ書いて応募した気になるのは絶対にやめるべきです。

自分がオーディションを開催した時に結構な割合でこのようなメールを送ってくる方がいました。

こういう方とはどんなに経歴が優れていようが、残念ながらご一緒したいとは思えません。

当たり前すぎて書くのもどうかと思いますが、初めましてなのであればまず初めましての挨拶から始めるべきです。

そしてそのあとに自分がどういうことをやっている人であるのか、どこでこの募集を見かけて応募したのかは応募要項に入る前に最低限書くべきだと思います。

✅ 良い例

件名:『〇〇』キャスト募集

本文
キャスト募集ご担当者様

はじめまして、渡辺拓真と申します。

2019年公開の作品を最後に自作以外での俳優活動を休止し、現在は主に俳優の宣材写真の撮影を仕事として行っております。

そんな状況の中ですがこの度シネマプランナーズにて募集情報を拝見し、ぜひ〇〇〇役として作品に参加したいと思い、ご連絡させていただきました。

以下応募要項を記載いたしますのでご確認のほどよろしくお願いいたします。

1.希望する役
2. 氏名
3. 年齢
4. 身長
5. 演技経験の有無
6. 最寄駅
7. 連絡先
8. 所属の有無

自分の場合は現在俳優業をメインで行なっていないため、まずそのことを理解してもらう必要があると感じこのような書き出しになっています。

応募要項のあとには自分がなぜこのオーディションに応募しようと思ったのか率直な想いを600字程度にまとめました。

応募要項の時点で応募理由を求めるオーディションも中にはありますが、あまり多くないような気がしています。

それは応募理由の記入を必須にしてしまうと応募数がかなり減ってしまうからだと思います。

オーディションをする以上、応募数が多い方が選択肢を広く持てるので応募理由の記入を必須にしないことについてはとても理解できます。

ただ、応募理由が求められていなくても、俳優がその人の作品に出たい、関わりたいと思うのにはそれなりの理由があるはずでそれを知りたいと公募する側も少なからず思っているはずです。

その作品の監督や関係者の過去作がもし見られるのであれば絶対に見た上で、できることなら感想も添えたほうがいいでしょう。

自分の作品を見たことがあると伝えてもらうことは実はとても嬉しく、ありがたいことなんです。

見てくれた人との方が作品作りにおいて分かり合えることが遥かに多いと思います。

作品を見る術がなかったのなら仕方がないですが、ネットでいくらでも見られるのに、「見たことないけど出たいです!」なんてそんな説得力のない人嫌じゃないですか?

僕だったら嫌です。

最後に

以上、オーディションに応募する時に考えてみたことでした。

ここまでやって落ちたならまあそれはしょうがないことで、「今の自分が演じるために存在するかのように思えてしまった」ことがただの勘違いだったということなのでしょう。

オーディションに参加するということはきっとそれの繰り返しなんだと思います。

自分自身と他者から見える自分とを正確に認識することは、俳優から少し離れた今でもとても難しいと感じるし、なにをやっていても表現という分野に生き続ける限りは一生ついて回る問いなんだろうと思います。

でもだからこそ、終わりがないから表現することが好きなんですけどね。

この文章が誰かの助けになれば幸いです。

渡辺拓真

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